大判例

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高松高等裁判所 昭和25年(控)293号 判決

職権で調査するに、原判決において有罪の認定をした事実は、昭和二四年一二月一六日付の追起訴に係る(原裁判所昭和二四年(公)四〇二号事件)ものであり被告人は、原裁判所の公廷においてそれを自認しておるものであるが検察官から該事実を立証するものとして取調べを請求し、訴訟関係人同意のもとに取調べられたのは、吉川寿雄、野田徳一各作成に係る申述書及被告人の司法警察員に対する供述の調書だけである(七四丁以下原審第三回公判調書)に拘らず原判決には証人野田徳一及吉川寿雄の当公廷における判示照応の陳述をも証拠としておるところが右証人等は、原判決が無罪を言渡した事犯(昭和二四年一〇月一九日付起訴)について、該事犯以外にも切干甘藷を買つておる事実即ち情状を立証する趣旨で取調べを請求して取調べられた(一七丁裏以下原審第一回公判調書)ものである、ばかりでなく右取調べの後追起訴が提起されたものでありしかも敍上説示に明らかなように追起訴の事実に関する証拠として取調べられた形跡もないのであるから右証人の供述は追起訴の事件即ち有罪とした事実に関しては直ちに証拠とすることができない場合と言わなければならないのに証拠としたのは訴訟手続に法令の違反がある、又原判決は、原審訴訟費用は全部被告人の負担とする旨を言渡しておるが記録によると原審訴訟費用と言うのは、全部証人吉川寿一外四名に支給した日当その他であり同証人等は前記無罪の言渡をなされた事件(昭和二四年一〇月一九日付起訴に係る事犯)で取調べられた(前記一七丁裏以下の記載参照)ものであつてその支出が被告人の責に帰すべき事由がないと思われるのに被告人に負担させるものとしたのは刑訴法第一八一条に反するもので訴訟手続に法令の違反がある、敍上違反は判決に影響を及ぼすのが当然である。

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